歩きお遍路体験記3日目ー激坂、鬼坂の焼山寺遍路ころがし

夜の境内

限界とその先にある意味挑戦した3日目!!第一のへんろころがしに挑戦の日です。

私のお遍路を振りかえっても比較しようがないくらいぶっちぎりで一番きつい日でした。

 

目次【本記事の内容】

歩きお遍路体験記3日目

 

さあ、最悪かつ最高な一日です。

 

11番寺藤井寺(ふじいでら)

 

旅館吉野で昼食を済ませ、6:30には藤井寺へ到着。歩いて10分でした。

早朝に納経を済ませ、7:00には登山開始できるよう準備していると、なんかうろうろしているお遍路さんらしき人が、読経してる人に話しかけて追い払われていた・・・

おいおい・・・と思いながら見ていると、ベンチで休んでいるこちらに近づいてくる。

「お参りってどうしたらいいんですかね」ですって。

なんかやばい人もいるんだなと思いながら、一応手順を説明すると、関西弁でありがとな~と言って適当に参拝していた。・・・ちゃんとやらないなら、なんで聞いたんですか?

 

なんて事をしているうちに7:00になり、納経を終えへんろ転がしへトライとなった。

 

藤井寺山門

へんろころがしスタート

 

焼山寺への歩きの遍路道は焼山寺の本堂の脇からスタートとなになる。本堂から視線を左に移すとこの道。

 

へんろころがし入口

しばらくはコンクリートの階段や通路を歩く。88寺分のご本尊の身代わり?の像が立ち並んでいる。ここのご本尊さん(仮)にお参りすれば、一応全部行った事になる系のものらしい。

 

私は全部行く予定なので、会釈するくらいでスルー。全部読経までしてお参りしていたら、ここで一日が終わるほどの数だ。

 

7:00出発であったけれど、境内にはまばらに数人いる。すべて歩き遍路さんのよう。これから遍路道にほぼ全員スタートするような気合が満ちていた。

 

柳水庵

 

第一目標は給水スポットでもある柳水庵を目指す。全工程で遍路ころがしは6か所あるらしい。

すでに全身筋肉通なのですが、藤井寺までの歩行で少し体が温まり筋肉痛も若干麻痺し始めている。

まずは緩やかな遍路道が続く。緩やかな階段や景色の良い道が続き、全部こうならいいのに・・・と思いながら歩を進めると第一のへんろころがしが出現。

どんなものかと思っていたが急こう配の階段・・・歩幅が決められてしまい、段の高さの脚力を強制される分普通の坂より遥かにきつい・・・・

 

ただでさえ底をついている筋疲労がさらに加速していく。10段登って少し休むを繰り返しながらなんとか登っていく。

遍路転がし1つ目で、すでに「え・・・?帰る・・・?」という心の声がだんだんと大きくなる。本当に登れる気がしない・・・

 

へんろ転がし山道焼山寺遍路道

 

一個目をなんとか終え、少し歩くと景色が開け休憩所に出る。そこに藤井寺に居た、参拝初心者おじさんが居た。

休憩するか無視するか考えてながら近づいていくと、こんにちはーと声をかけられた。その声に嫌な感じがなかったので、少し休憩することにした。

 

話しを聞いていると、旅好きおじさんだった。お金を貯めては興味のある土地や、お遍路や東海道など面白そうなものにチャレンジしているとのこと。

宗教的側面には興味が無いようで、お遍路についても何も調べずに来たようだ。宗教関連はガチ勢がいるから、最低限調べたほうがイイヨおじさん・・・・

 

 

休憩所

 

少し一緒に行こうよというので、しばらく一緒に歩きながらいろいろな話をした。旅を安く済ませる方法を聞けて楽しい話だった。

主に車中泊にして車は軽バンがいい事、テントで外で眠るのも楽しいとか、テントを貼るならここがいいとか、そんな話をしながら歩いた。

大体雇用保険が下りる年数だけ働いて、その間にお金を貯め受給期間に旅に出る生活をずっと続けてきたらしい。

「そういう生き方でもなんとかなるよ」と言って笑っていたのが印象的だった。お金を極力減らさないために始めた節約旅行だったけど

今ではそういう宿泊が好きな事、いろいろな所に旅に行って現地で出来た友達が沢山いるとも言っていた。なんかめっちゃ楽しそうなんですけど!

 

二か所目のへんろ転がしで私がペースについていけなくなってさよならした。また道が楽になったら追いついてねーなんて言っていたけど、追いつけませんでした。

 

へんろころがし

 

しばらく行くと給水所(?)昨日の夕食の時にべてらんお遍路さんから、途中湧き水があると聞いていたけど、こ・・・これか・・・

と思いながら生水のため一杯だけ頂く。おいしいけどさ、美味しいけどさ!

雨が降らない時期は枯渇してしまう事もあるとの事。沸いているのはラッキーなのだとか。

極力バックパックを軽くしたい人は、この湧き水と柳水庵を頼りに進むとよいそう。私は多めにバックに詰め込んできたのですが、最小限にすればよかったかな、でも生水だし・・・と複雑な心境でした。

 

遍路道の湧き水

 

そして3つ目の下りのへんろ転がしを終え、柳水庵に到着。以前は住職さんも居たりしたようだけれど、今は無人。

ここが一応最後の給水スポット。湧き水と蛇口のある水が存在する。一応私は蛇口の方から頂いたが、飲める水なのかは不明。

口に含むと塩素の香りがしたのでたぶん大丈夫だと思うのですが・・・・

水は柳水庵に入ってすぐの湧き水も飲めるという事だけど、田舎は蛇口がついていても実は散水用のため水とか、農業用水とかザラにあるのでとても怖い。

翌日もお腹を壊す事は無かったので、セーフのようです。大丈夫であったのかは本当にわからないです。念のため宿で入れてきた塩素いりの水道水と貰った水を混ぜて飲んだのが良かったのかも。

塩素が入っていれば若干の殺菌効果はあるはずだし。

 

ここは電波も通じたので、30分ほど休憩。足が限界です・・・・

 

 

柳水庵

浄蓮庵

 

またひた歩く。一度車道に出たので、これが引き返す第一ラインのよう。タクシーでもなんでも呼んでなんとか帰る事がきるみたい。地図上の国道245号ですね。

ここで本当に帰ろうか迷う。足が本当に・・・・

 

それでもと思いトライ。なんか・・・なんか無性にお腹減ってきた・・・・

と思いながら汗だらだら、息ぜえぜえで歩いていくと浄蓮庵に到着。階段の上に巨大な空海像が出現。

 

浄蓮庵

ここで少し休むと、昨日会った3人組の外国人が来た!私のほぼ喋れない適当英語で少し話をしていると、オーストラリアから来たんだそう。

アウトドアが大好きでお遍路のようなイベント要素のあるものも好きで、休みをとって世界中に遊びに行っているらしい。

もう少し休むと伝えると、もう行くというのでさよならした。

私より後から来て、追いついてさらに先に行くって体力すごいな。

 

そして私も歩きだすけれど、なんか体調が悪い。唇が少し痺れる感じがして、足に力が入らなくなってくる。

あ、もしかしてエネルギー切れ?!と思って調べると、ハンガーノックというのに当てはまる。

要するに体内エネルギーの枯渇。事前情報だと早ければ5時間で着くとあったので、少し甘く見て食料の補充をしていなかった。

持って着た飲み物も水だし、カロリーが無い。

動くと少しほんの少しだけれど意識が遠くなるような感じがして、特に足に力が入らない感じがする。こ・・・これやばいのでは?!

と思いながら、ハンガーノック対策で書いてあった、体を温めると肝臓からのエネルギーが体に充填しやすくなるという情報を信じ

持っていたカッパや福を着込んで、休む→歩く→休むで少しずつ進んだ。

本当にやばいと思ったので、途中生えていた花も毒が無いか調べてから食べてみた。苦い・・・・

数十個ほど花を摘んでしばらく食べながら歩いていたけど、おそらくカロリーなんてほぼ無いし、実際体調は回復しなてこない。

地図で見ると焼山寺までの最後の山登りの前に、左右内集落という数十件の民家がある集落がある事がわかった。

何か売店があるかと思い、集落に出たけれど、売店がある雰囲気はまったくない。それにそもそも人が住んで居そうな感じもない。

 

これはいよいよ、国道も通っていることだし本気でリタイアかも・・・と思って歩いていると救世主が!!

 

 

 

焼山寺

 

無人販売のミカン発見!!

 

あまりに必死だったせいか浄蓮庵から、左右内集落までの写真がほぼありませんでした。

この時点でPM16:00だったため、もう後続はほぼ居ないはずと思い、4つあったミカンのうち2つを購入。一気に食べて、少し復活!

もうこの復活してる(感じがする)間に行くしかないと思い、ラストへんろころがしにアタック。

 

遍路転がし

 

えっと、最後が激しすぎるんですけど!!

岩ばっかり、段差激しすぎ!しかも延々と坂ばっかりで勾配はずっときついまま。もう一歩一歩が限界ギリギリ。

杖に両手で体重をかけて全身で登った。今までの人生の中で一番登りにすべてをかけたくらい登った。精魂尽きるまで登った。

 

最後の遍路ころがし

 

そしてなんとか焼山寺の駐車場の近くに出た!!

やったああああああああああああ助かった!ゴーーーーーーーーール!!!

って思いました。心の中は安心と勝利のファンファーレ状態で、すでに達成感でいっぱい。焼山寺の宿坊を予約しているし、もう休める!!

と思い、とりあえずまだギリギリ間に合うから納経しようかなと歩き出した。

 

焼山寺

 

え?長くない・・・?

 

焼山寺

 

何キロあるねん!!!!

って思うくらい長い通路を通ってやっと山門!って思ったらまた階段・・・・・

泣けてきた・・・・

 

焼山寺山門

 

そしてなんとかゴールしたものの、時刻はほぼ17時前。体力的に参拝は諦めて、納経だけ済ませた。夜か朝に参拝しよう・・・・

 

そして宿坊へ到着。

 

今日のお宿は焼山寺宿坊

 

焼山寺宿坊のレビュは焼山寺宿坊レビューの記事でご覧ください

焼山寺宿坊は私以外に1,2組程度居ただけで、説明にある混雑時には相部屋という案内に怯えていた私は少しほっとしました。

古い施設で、お風呂は古い施設特融の石タイル。しかもとても熱い!草津温泉かってくらい熱い!!

申し訳ないけど、水で温くして入る。少しのストレッチでももう体が悲鳴を上げていた。

お風呂に入って、洗濯をしている頃にもう1組のお遍路さんが来たようで軽く会釈、もう一組はいつ来たのかわからなかった。

食堂は無いようで、皆個室で食事。噂通りの精進料理で正直体酷使した後の食事としては、すこーし物足りませんでした。

 

 

ふらふらと歩く途中で気になっていたのが、通路の灯篭。夜みに行ってみたら、とてもきれいでした。

焼山寺の灯篭

 

まとめ

 

健脚4時間、普通6時間、弱足8時間らしいのですが、私は9時間かかりました。

ハンガーノックの影響が多そうですが、食料は本当に大事です。甘く見過ぎてました。

ここの経験から、非常食は必ず持つようにしました。カロリーメイトなら必要なければ食べなければいいだけですからね!

明日は別格2番寺の童学寺を経由するルート。明日も長くなりそうな予感がします。

 

スポンサーリンク